アウトドア派のHAMに贈る 気ままな移動地ガイド
宮城県栗原郡栗駒町
岩手県一関市

栗駒山
くりこまやま

標高1627m  一等三角点




栗駒山(須川岳)は,宮城県栗原郡栗駒町と岩手県一関市の境を成す山.標高は1627.7m.一等三角点を持つ東北百名山の一つである.山頂まで一番近いルートは,山の東側から登る「中央コース」.およそ1時間30分で山頂にたどり着くことが出来る.他にも自然を満喫できるたくさんのコースがあるので,四季を通して初心者から上級者まで多くの人々が登山を楽しんでいる.

いわかがみ平」は,宮城県側からアプローチする際の登山道入り口として有名であり,広い駐車場と売店も備わっている.標高約1100mもあるので,この駐車場で運用する局も多い.南方向の電波の飛びが良いようだ.今回はアンテナとリグを持って山頂を目指すことにしよう.売店の脇からコンクリートで固められた石畳の登山道が始まる.所々崩れている個所もあるが,基本的に登りやすい道(しかし逆に下る際には足にかかる負担が大きい).40分ほど歩くとやがて石畳の道が終わり,フラットな登山道に変わる.晴れていればこの地点から目の前に山頂を望むことが出来る.雄大な山頂に見とれながら歩いていると,やがて道は丸太の階段が中心の登山道になる.この木道は,亜高山帯の植生を保護するために作られた.なぜなら,10年くらい前にこの付近で登山客による草地の踏み荒らしが指摘され,同様の原因により山体東側に広がる扇型の広大な草地 (Nivation Hollow) の一部が裸地化しているという事実が確認されたからである.未だに土砂の流出が進行していると見られる部分も多々あるが,それでも一時よりはだいぶ植生が回復したそうだ.東栗駒コースとの分岐を過ぎ,右手に広がる湿地帯を見ながら一歩一歩,少々傾斜がある階段を登りきると.素晴らしい眺めの山頂に辿り付く.

山頂からの展望は,360度思うままだ.晴れていれば太平洋まで望むことが出来る.すぐ下には,たった今歩いてきた登山道がクネクネと続いている.秋田県側には,目の前に秣岳,眼下には1126m(イイフロ)の須川温泉がはっきりと見える.

また,地上では曇っていても,これだけの標高がある山頂では晴れている事も多い.このようなときは,地上の景色は見えなくても,目の前に広がる素晴らしい雲海を見ることが出来る絶好のチャンスなのである.実際,当局が訪れたときには,まるで飛行機の上から見ているかのごとく,雲の上は素晴らしい青空であった.ふわふわ浮かぶ雲の海と,その直上に広がる深く透き通った青い空は,登った人だけしか見ることの出来ない最上のご褒美である.

山頂付近はとても広く,たくさんの登山者がお弁当を広げつつ,目の前の景色に歓声をあげている.まわりの邪魔にならないように,タープ用の伸縮ポール(長さ最大2,5m,軽い!980円と超リーズナブル!)を垂直に立て,10エレの八木アンテナを設置した.アンテナに加え,山頂までポータブル電源を運ぶ気力はさすがにないので,当日はハンディー機のバッテリー2個を用意し,出力1WでQRVすることにした.それでも,遠く他エリアの局から「良く聞こえてるよ!」というFBなレポートをたくさんもらい,八木アンテナを山頂まで担ぎ上げた苦労が報われるようであった.

有名な山なので訪れる人も多く,天候にさえ注意すれば,初心者でも気軽に登ることの出来る山岳移動運用地の一つである.まずはハンディー機を持って山頂まで行かれることをお勧めしたい.10エレ程度の八木であれば,単独行でも持って行くことが可能であり,その性能を十二分に楽しむことが出来る.(JO7FKP岩瀬さんにはハンディーのバッテリーをお借りしました.TNX!)

(2003年7月6日移動)



                            


登り始めはコンクリートで固められた
登山道が続く.最後はちょっとキツイ登り.



   
石畳の道が終わると完全に雲の上に出た.
堂々とした山体が目の前に.





登山者が踏み荒らしたため,裸地になってしまった個所.このような土砂の
流出現象は,北上高地の放牧地でも見られるが,自然の力だけでは
なかなか元に戻らない.このままこの現象が進めば,下に広がる高層湿原
にまで土砂が到達し,全体が荒廃した山に変貌してしまうことは想像に難くない.

   
裸地拡大を防ぐために設けられた
新しい登山道.




山頂まであと少し.最後のひと踏ん張り.



  
1627mの山頂!



秋田方面の景色.目の前に秣岳が見える.



   
10エレの八木とハンディー1WでQRV.
雲上の移動運用は気分が良いものだ.




山頂から東方面.素晴らしい雲海が広がる.

   
目の前の景色に思わす見とれてしまう.
山の素晴らしさを改めて実感する.





HAMのための現地情報

アクセスは
  (車・徒歩など)
いわかがみ平では車でQRV可.
山頂までは徒歩1時間30分.

地図は後ほどアップの予定.
見晴らしは
  (景色の良い方向)
抜群!
360度開けている.
物干し竿をつける棒や
  ガードレールは
無し.
HFの運用は
  (ワイヤーを張れるか)
登山者多いので無理だろう.
抑圧の有無
  (電波塔が近くにあるか)
全く無し.快適そのもの.
他の人目を気にしないで
  快適に運用できるか
ハイカー多いが,皆さんHAMのことは良くご存知のようだ.
生活設備・周辺環境など
  (トイレ・水場など)
山頂には何も無し.
いわかがみ平に売店(水・トイレ・食事)あり.
運用地の知名度
  (無名:☆ → 有名:☆☆☆☆☆)
※無名なほどCQ時に声がかかりやすい
☆☆☆
ただし,とにかく電波が飛ぶのでパイルになる.
その他
  (レジャー施設・温泉など)
宮城側:いこいの村栗駒(15:00まで)
     ハイルザーム栗駒(18:00まで)の各温泉.
秋田側:須川高原温泉・露天風呂(広いが眺め悪い)
     栗駒山荘(露天も広いし眺めが最高!)の各温泉.

個人的には,白濁した硫黄泉の秋田側がお勧め.特に栗駒山荘
露天風呂からの夕景は絶景!こちらをクリック!




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