アウトドア派のHAMに贈る 気ままな移動地ガイド |
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山形県飽海郡遊佐町 鳥海山 ちょうかいさん 標高 2230m(七高山 1等三角点) 2236m(新山 標識は無し) 7エリア屈指の天空のシャック! |
日本百名山の1つである鳥海山は,東北地方を代表する秀峰.標高は2230m(一等三角点)を誇り,山頂からは7エリアの名山全てを見渡すことが出来るといっても過言ではない.別名,出羽富士・秋田富士と呼ばれる鳥海山は,信仰の山としても人々に親しまれている.ちなみに東北地方で一番高い山は,福島県の尾瀬にある燧ケ岳(2356m).しかし燧ケ岳は,ほぼ1エリア群馬県境に位置し,周りも高い山に囲まれていることから,海から一気にそびえたつ2000m超の鳥海山の方が目立つ存在である.氷河地形,火山地形,恐怖の尾根道,圏谷を行く道,鎖場,ハシゴ場,無線では凄まじいパイルアップ,そして長くて辛い登山道….実質的には鳥海山が7エリア最高峰と言っても謙遜ない山容であろう. アプローチはたくさんある.今回は最も一般的と言われる鉾立からの象潟コースで山頂を目指すことにする.初めての鳥海登山では,他の登山者も沢山いたほうが安心感があるのでこのコースを選んだ.ちなみに最短コースは,山形県八幡町から登る滝の小屋コース(登り約4時間)である. しばらくは石畳の道が続く.比較的緩やかな登り.栗駒山の中央コースのようだ.落差300mもある谷の向こうに,これから目指す山頂が見える.登山道は谷の南を縁取るように上へと続いている.第一の休憩地点は賽の河原.歩き始めて1.9kmの地点だ.夏場は水を補給することもできるようだが,お盆過ぎには枯れ沢になることもあるので注意が必要.一休みして急な傾斜を登りきると,鳥海湖を望むことのできる御浜に到着する.御浜には,夏季のみ営業の山小屋と,トイレがある(トイレは通年OK).鳥海湖の写真を撮りつつ次の目的地御田ヶ原を目指す.目の前に見える丘を登りきるとそこが御田ヶ原.一気に鳥海山の全貌が明らかになる.すでに結構歩いた気がするのに(ここまで2時間12分),無情にも山頂はまだまだ先.気合を入れなおして,次の分岐点である七五三掛へと向かう. 七五三掛(しめかけ:1795m)は,氷河の谷を行く「千蛇谷コース」と痩せ尾根を行く「外輪コース」との分岐点.登りは千蛇谷,下りは外輪コースを通る事にし,圏谷底へハシゴを使って急崖を一気に下りる.かなり危険なので慎重に一歩一歩確実に.下りきった谷底は雪渓になっており,滑らないように慎重に渡る.そして谷の中を延々と登りが続く.最後の最後が一番キツイ登り.鳥海山は情けが無いのかと思ってしまう.休み休み,最後の力を振り絞ってようやく山頂直下の大物忌神社(2130m)に到着.時計を見ると,スタートからすでに4時間28分が経過していた. 新山はここから20分の登り,七高山は同じく20分の登り.両方登る時間は残されていない.一等三角点は七高山にあるので,今回は七高山を無線の移動運用ポイントに選んだ.一旦,大物忌神社から谷に降りて100mの急崖を登る.鎖が無いと,とても登ることが出来ない.つ,つらい!しかしここをクリアーしないと山頂に立つことが出来ないのだ.あとは根性だけで登りきった.体力はほとんど限界・・・. 岩がゴロゴロした狭い山頂には,立派な三角点があり,360度の素晴らしい景色が広がっていた.北方面には遠くに岩木山,海岸線を追って行くとその先に男鹿半島の寒風山が見える.岩手・宮城県側は雲に覆われていて残念であったが,船形連峰は何とか確認することが出来た.南に目を遣ると,月山が低く見える!なんてことだ!ちょっとびっくりしながらも,美しい日本海の海岸線に目を奪われた.周りを少し歩くも,ものすごい高度感にくらくらする.鳥海山は海に近いため,海抜ゼロメートルからその山のもつ「真の標高」を味わうことが出来るのだ.2000mを超える高さは,当たり前だがやっぱり高い!とにかく今まで登った山とは比べ物にならないほど素晴らしい眺めである. 運用は,ダイヤモンドのSG-7900というモービルホイップ(7/8λ,5dB)とハンディー機で,出力5Wだ.5W出力を確保するためのシールドバッテリーは2Ah.時間が無いので早速CQを掛ける.すると北から南から驚くほどのパイルアップ!同時に7,8局から声がかかるなんて144MHzFMでは体験したことがない.慣れないパイルを何とか捌いて30分弱で無線交信終了.もっと交信したかったのだが日没に間に合わないとマズイので早々に下山する. 帰りは外輪コース.痩せ尾根を歩く恐怖のコースだ.眺めは山頂と同じようにすこぶる良い.しかし,所々道が不明瞭であり,かつハシゴや鎖場も連続する危険な道が続く.下山時は疲労が溜まっているので慎重に慎重を心掛けたい.山形側にある滝の小屋を眼下に見下ろして,やっとのことで千蛇谷コースとの分岐点である七五三掛に戻ってきた.ここから駐車場までは,まだまだ長い道のり.この頃になるといい加減下山も飽きてくる.海原に沈む夕日を見ながら足を速める.振りかえると,鳥海山全体が夕日を浴びて赤々と燃えるようだ.鉾立駐車場着は日没後の18:01分.ギリギリセーフだった. |
(2003年9月21日移動) |
HAMのための現地情報
〜 鳥海山編 〜
アクセスは (車・徒歩など) |
色々なコースがある.山形側,滝の小屋コースが一番楽と言われる. 今回紹介した鉾立からの象潟コースが最も一般的.ただし長く辛い. 象潟コース:山頂までの標高差約1100m,往復距離約16km, 参考タイム 登り:千蛇谷コース経由 5時間(休憩含む) 下り:外輪コース経由 3時間30分(休憩ほとんど無し). |
地図等は,他の登山のページを参照して下さい. |
見晴らしは (景色の良い方向) |
抜群!周りに高いものは何も無い.海抜0mから2230mまで 一気にそそり立つ独立峰のため,その高度感は恐怖さえ感じられる. |
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物干し竿をつける棒や ガードレールは |
なし 岩を使って固定. | |
HFの運用は (ワイヤーを張れるか) |
できない事は無いが,ここまでくればU/Vのほうが良いのでは・・・ | |
抑圧の有無 (電波塔が近くにあるか) |
全く心配無し.快適そのもの. ここに電波塔があったら,ある意味怖いっ! |
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他の人目を気にしないで 快適に運用できるか |
登山客多い.でも大丈夫! | |
生活設備・周辺環境など (トイレ・水場など) |
夏場は各小屋営業.要確認.鉾立からのコースでは,御浜小屋と山頂直下の大物忌神社にトイレあり.水場はシーズンによって異なる. 山頂小屋の水は天水.飲料水は余分に持って行こう. |
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運用地の知名度 (無名:☆ → 有名:☆☆☆☆☆) ※無名なほどCQ時に声がかかりやすい |
★ たいていの鳥海山移動局は中腹の駐車場から. 山頂移動は貴重.想像を遥かに超えた電波伝播! モービルホイップでも長野市と津軽が共に59! 144MHZFMでも1度に10局近くに呼ばれる超パイルアップを味わえる. |
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その他 (レジャー施設・温泉など) |
鳥海山の山頂山岳移動は,日帰りではちょっと厳しい.時間に余裕を持つのならば前泊,楽なのは2泊がお勧め.夏山シーズンは山頂直下の山小屋に宿泊でき,条件さえよければ日本海に映る影鳥海を見る事ができる.駐車場でのお手軽運用も良いが,人とはまた違ったことをやりたいっ!というアクティブな局には,山頂移動をお勧めする.「鳥海山山頂移動です!」とマイクに向かってしゃべるのは快感でさえある.ただし,しかるべき登山準備が必要なのは言うまでもない.くれぐれも気をつけて!事前の山行計画は綿密に!温泉等は今回未調査.疲労困ぱいのため(笑) | |
参考タイム | 行き 仙台発4:00 鉾立駐車場8:00発→賽の河原9:10着→御浜小屋(1670m)9:45着(休憩)→御田ヶ原10:12着→ 七五三掛(1795m)10:45着(休憩)→〜千蛇谷コース〜→山頂神社(2130m)12:28着(昼食)13:15発 →山頂(2230m)13:45着 13:52〜14:20無線交信 帰り 山頂14:30→〜外輪山コース〜→七五三掛15:58→御浜16:38→賽の河原17:10→鉾立駐車場18:01 仮眠の後 仙台着23:00 |
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